現代における財布の存在意義とは──キャッシュレス時代の“持ち物の本質”を考える

財布が欲しい、と思っているのですが、次の財布をどうするかで考えています。財布とは毎日持ち歩くものなので慎重になります。財布って今と昔ではだいぶ意味合いが変わってきていると感じます。特にここ数年キャッシュレス決済の普及により、また大きく変わってきていると思います。かつて財布とは「お金を入れるもの」だったと思います。紙幣、小銭、そして免許証など必要最低限のカード類を持ち歩くための道具として、多くの人にとって必需品であり、日常の中で頻繁に出し入れする物のひとつでもあったと思います。しかし、時代は確実に変化しています。スマートフォンひとつで決済が完結し、店舗によっては現金を一切扱わないケースも増えてきた。実際に私も現金を使う機会がグッと減り、気づいたら財布に全く現金が入っていなかった、ということも皆さんご経験あるのではないでしょうか。

さて、そのような現代において、かつてのような財布の役割のままで荷物の一つとして鞄の中、あるいはポケットの中に突っ込んでおいて良いのかと思います。キャッシュレス社会の進展は、財布の“機能”だけでなく“意味”そのものを考え直した方が良いのではないかと考えています。では、現代の私たちにとって、財布とは一体何なのか?持つことの価値はどこにあるのか?ちょっとここで立ち止まって考えてみたいと思いました。


財布は「お金を入れるもの」から「物理IDを持ち歩くツール」へ

キャッシュレス決済の普及によって、現金を使う場面は大幅に減りました。とはいえ、財布を持つ人がいなくなった、劇的に減った、ということは無いと思います。なぜなら、知らず知らずのうちに「財布=お金入れ」という役割は終わっても、「物理的なIDケース」としての役割はむしろ重要になっているからです。

免許証、健康保険証、診察券、社員証……。これらはいまだにデジタル化が進みきっておらず、多くの人がカードとして携帯しています。加えて、交通系ICカードやセキュリティキーとして使われる磁気カードも含めれば、私たちは日々、かなりの数のカードを持ち歩いています。

つまり現代における財布とは、「金銭の持ち運び」よりも、「身分と機能の持ち運び」のためのツールに変貌してきています。

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ポイントカード地獄とカードスロットの重要性

もう一つ現代の財布を語るうえで避けて通れないのが、ポイントカードの乱立です。メディアもポイ活をあおることもあり、小売店、飲食店、ドラッグストア、EC連携……ありとあらゆる場面で発行されるポイントカードは、ユーザーにとっても“持たざるを得ない圧力”になっている。

一部のポイントカードについてはスマホアプリ化が進んではいるものの、依然としてプラスチックカードでの発行が主流の業態も多い。そのため、「財布に入れるカードは厳選しましょう」というシンプルな解決策は、現実的ではありません。持ち歩くカードを日々選別していると持っていないときに限って利用したりしてしまうと非常に後悔しますね。

つまり今の財布には、「ある程度のカード収容能力」=“現実との折り合い”をつける機能性が求められています。

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“ゴツい財布=男らしさ”は本当にスマートか?

さて、財布の機能的な役割だけでなく、持ち物、ステータスとしての財布の役割もあると思います。ビジネスマンにありがちの分厚くて重厚感のある財布には、たしかに“男らしさ”や“成功の象徴”といった演出効果があります。ただ、主観的な話になりますが、うどん屋や定食屋のテーブルに財布とケータイを重ねておいているのって、果たしてそれはスマートだろうか、と考えてしまいます。

それだけでなく、重厚な財布はスーツやジャケットの内ポケットに入れるにはかさばりすぎ、パンツのポケットに入れればシルエットが崩れ、歩くたびに重さを感じます。財布を自己演出のツールとして使うことは否定しませんが、日常性や軽やかさとのバランスを失った財布は、むしろ“過剰な演出”に映り、もはや時代錯誤なのではないかと感じることもあります。

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“サブ財布”という二重管理の罠

昔から、小型のミニ財布と、大容量の本財布を使い分けるスタイルもあるとおもいます。たとえば「アブラサス」などの極小財布や小銭入れなどで、日常は身軽に、必要なカード類は別の長財布にまとめておくという考え方です。

一見すると合理的だが、これは“二重管理”というある種の分野においては鬼門ともいうべき、新たなストレスを生むリスクも孕んでいます。

  • 出かけた先で「持ってこなかったカードが必要だった」
  • 財布を2つ持っていて、どこに何を入れたか一瞬迷う
  • 一方を忘れたり紛失したりする可能性が増える

私たちが望んでいるのは「管理を簡潔にすること」であって、「おしゃれな分業体制」ではないはずです。なので財布を複数取り扱うのはやめたいと思います。

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革財布の美しさと、意外な“実用性の壁”

さて、そうなるとカード容量多めのお金が入るようなナイロンの財布でいいんじゃないかって極端な話になりかねませんが、やっぱり革財布が良いんです。質感や経年変化の美しさで多くの人を魅了するアイテムだと思います。持つことで得られる満足感は、プラスチックや布製の財布では得られない深みがあります。

しかしながら、現代の使用環境では前述したようにバランスが大事で、一歩間違えると革の“重さ”と“厚み”が実用面でのネックになることも多いです。

  • 軽くて嵩張らないことを望んでも、革製品は基本的に重い
  • 小銭やカードが増えると、革が硬くなじむまで取り回しがしにくい
  • 汗や湿気にもあまり強くない

つまり、「革財布=悪い」ではなく、「現代的な生活様式に合った革財布は限られている」というのが正しい認識だ。


求められるのは、“きっちりしているのに軽快”な財布

なので、考え付いた財布の理想像はこれです。

  • ある程度きっちりして見える(安っぽくない、カジュアルすぎない)
  • カードや紙幣、小銭がひと通り収まる
  • ポケットに入れても嵩張らない・重くない
  • 所有欲も満たしてくれる、上品な佇まい

特に革財布でなくてもいいんですが、化学繊維だけの財布というのも味気ないです。だからこそ、“ハイブリッドな素材感”や“スマートな構造設計”を備えた財布にこそ、これからの時代の解があるように思えます。

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終わりに──財布は“生活の知性”を映す道具へ

さて、話がだいぶ逸脱しているような気もしますが、このように財布はもはや「現金の入れ物」ではなくなっており、“何をどう持つか”がその人の価値観を表す時代になったと思います。自意識過剰かもしれませんが、どのくらいのサイズにどのくらいの情報を入れているか、という事を考えて選ぶべきだと思います。

・合理的すぎても味気ない
・感情に偏りすぎても不便
・機能と美しさの“ちょうどいいバランス”

それを体現する財布こそが、現代における最良の選択肢だと思います。。
スマートフォンが何でも代替していく中で、それでも「持つ意味のある財布」とは何か──。
それは単なるモノ以上の、生活と自己認識の接点なのかもしれない。

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