久しぶりにElektronのSYNTAKTを引っ張り出し、曲を作ろうと思って電源を入れました。
しばらく触っていない間にOSもバージョン1.40へ更新されていたため、まずはアップデートしようとしたのですが、そこで気になったのがボタンの手触りです。
『あれ、こんな感触だったっけ?』
触ってみると、複数のボタンの表面がベタベタしています。操作できないわけではありませんが、指にまとわりつくような感触があり、触っていてあまり気持ちのよいものではありません。
せっかく久しぶりにSYNTAKTを使おうと思ったのに、このベタつきが気になって制作に集中できません。そこで、何か対処方法はないか調べてみました。
SYNTAKTのボタンがベタつく原因は?
SYNTAKTに標準装着されているボタンキャップには、滑りにくく手触りのよいラバー調の表面処理が施されています。
ただ、このようなラバー調の表面は、時間の経過や保管環境などによって劣化し、ベタつきが発生することがあります。SYNTAKTに限らず、古くなった電子機器やカメラ、リモコンなどでも見かける症状です。
今回のSYNTAKTも、内部のスイッチが壊れたというより、ボタンキャップ表面のコーティングが劣化している可能性が高そうでした。
単なる汚れなら清掃で改善できますが、素材そのものが変質している場合、拭くだけでは根本的な解決にならないことがあります。
アルコールで拭くのは少し心配
ベタつきを落とす方法として、アルコールや無水エタノールで表面のコーティングを除去する例も見かけます。
しかし、強い薬剤を使うと、ボタンの印字が薄くなったり、表面が変色したりする可能性があります。本体にボタンを取り付けたまま液体を使用すると、内部へ入り込む心配もあります。
自己責任でコーティングを剥がす方法もありますが、できればボタンの印字や外観を損なわず、安全に直したいところです。
そこで見つけたのが、Elektron純正の交換用ボタンキャップです。
純正の「Button Cap Kit – Smooth Surface」が販売されている
Elektronの国内正規輸入代理店であるElektron Distribution Groupでは、交換用の「Elektron Button Cap Kit – Smooth Surface」が販売されています。
これは、Elektron製品のボタンをまとめて交換できる純正キーキャップセットです。
標準装着されているラバー表面のボタンとは異なり、滑らかな表面にUVコーティングが施されています。商品説明によると、光沢のある滑らかな手触りを好む人に適した仕様とのことです。
SYNTAKT用も用意されており、購入時に対応機種を選択できます。
Elektron Button Cap Kit – Smooth Surfaceの商品ページを見る
記事執筆時点の販売価格は8,190円(税込)で、日本国内の送料は無料と案内されています。価格や在庫状況は変わる可能性があるため、購入前に商品ページで最新情報を確認してください。
対応機種
- SYNTAKT
- Digitakt
- Digitakt II
- Digitone
- Digitone II
- Digitone Keys
- Analog Four MK II(Gray)
- Analog Heat +FX
機種によってボタンの種類や印字が異なるため、注文時には対応機種として「Syntakt」を選んでいるか確認が必要です。
標準タイプとは表面の仕様が異なる
注意したいのは、Smooth Surface版がSYNTAKTに最初から付いているボタンとまったく同じ仕様ではないことです。
標準ボタンはラバー調の手触りですが、Smooth Surface版は滑らかで光沢のあるUVコーティング仕様です。そのため、交換後は購入時とはボタンの感触や見た目が少し変わると考えられます。
一方で、今回のようにラバー表面のベタつきで困っている場合には、この違いがメリットになります。劣化したボタンを同じラバー表面のものへ戻すのではなく、異なる表面仕様の純正ボタンへ交換できるからです。
純正品なので、ボタンの形や印字を保ったまま交換できる点も安心材料です。
注意:交換キットに取り外し工具は付属していなかった
実際に「Button Cap Kit – Smooth Surface」を注文して届いた商品を確認したところ、交換用のキーキャップは入っていましたが、古いキーキャップを外すための工具は付属していませんでした(キーだけで7000円もするのに)。

商品が届けばすぐ交換できるつもりでいたので、これは購入前に知っておきたかった点です。指だけで外そうとするとつかみにくく、マイナスドライバーなどの金属工具でこじると、本体のパネルやキーキャップを傷つける恐れがあります。交換を予定している人は、本体を傷つけにくいプラスチック製のスパッジャー(樹脂製分解ヘラ)も用意しておいたほうがよいと思います。
用意するならプラスチック製のスパッジャー
今回使ったのは、スマートフォンやゲーム機などの分解にも使われるプラスチック製のスパッジャーです。先端が薄い樹脂製なので、金属工具よりもSYNTAKTのパネルやボタンを傷つけにくいのが利点です。小さなピンセット型のキーキャップ工具も試しましたが、SYNTAKTはキーボードのようにボタン周囲へ十分な隙間がなく、ボタン自体も広いため、うまく掛けられませんでした。
使用するときはSYNTAKTの電源とケーブルを外し、作業前にボタン配置を写真に残しておくと安心です。私の場合、スパッジャーをボタンの片側へ軽く差し込むと、強くこじらなくても固定部分が『パキッ』と自然に外れました。勢いよく弾き飛ばすのではなく、外れたボタンを反対の手で押さえながら作業すると紛失を防げます。強い力が必要な場合やパネルがしなる場合は、無理に続けないほうが安全です。
※プラスチック製スパッジャーはSYNTAKT専用品ではなく、適合が保証されているわけではありません。先端の厚みや形状を確認し、キーキャップや本体を傷めないよう慎重に作業してください。
購入前に確認しておきたいこと
- 対応機種で「Syntakt」を選択しているか
- 標準のラバー調とは異なるSmooth Surface仕様で問題ないか
- 現在の販売価格と在庫状況
- 自分で交換する場合に保証へ影響しないか
- ボタン表面だけでなく、押した後に戻らない症状がないか
表面がベタつくだけなら、ボタンキャップ交換で改善できる可能性があります。
ただし、ボタンを押しても戻らない、反応しない、斜めに引っ掛かるといった症状がある場合は、ボタンキャップではなく内部スイッチの問題も考えられます。その場合は、購入店やElektronのサポートへ相談したほうがよいでしょう。
また、保証期間内の製品については、自分で作業する前に購入店や国内代理店へ確認することをおすすめします。
久しぶりに使うElektron製品はボタンも確認しておこう
今回、SYNTAKTのOSを1.40へアップデートして再び使い始めようとしたところ、思いがけずボタンのベタつきに気づきました。
最初は『掃除するしかないのかな』『ボタンの印字を消さずに直せるのだろうか』と悩みましたが、調べてみるとSYNTAKTに対応した純正の交換用ボタンセットが販売されていました。
この商品は比較的新しく国内で取り扱いが始まったこともあり、存在を知らないSYNTAKTユーザーも多いのではないでしょうか。
久しぶりにSYNTAKTやDigitakt、Digitoneを取り出して、ボタンのベタつきに困っている人は、無理に薬剤で表面を剥がす前に「Button Cap Kit – Smooth Surface」を確認してみてください。
大切な機材を気持ちよく使い続けるための、純正ならではの有力な選択肢だと思います。



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