MaschineとMPC Live IIを両方持って5年以上。最初に手が伸びるのはMPCの方だった

maschine-mpc-live2-featured-v1 ファッション・アクセサリー

MPC Live IIとMaschine Mk3、どちらも5〜6年持ち続けています。

ヒップホップやハウス、テクノ系のインストトラックを作っていて、どちらも現役です。ただし均等に使っているかというとそうではなく、正直に言うとかなり偏りがある。

「MaschineとMPCのどちらを買えばいいか」という問いは、スペック表や機能比較記事を読んでも答えが見えにくいことがあります。実際に両方を持って日常的に使っている人間の話の方が参考になる場面もあると思うので、できるだけ正直に書いてみます。

自分の使用環境と制作スタイル

最初に導入したのはMPC Live II Retro Editionです。しばらく使ってからMaschine Mk3を追加しました。どちらも5〜6年の付き合いになります。

前提として、自分はサンプリングをほぼしません。既存の音源に音階やコードを乗せてアレンジするタイプです。鍵盤は得意ではないので、パッドで演奏できることが重要でした。制作ジャンルはヒップホップ、ハウス、テクノ系のインストが中心です。

最初に手が伸びるのはMPCの方

「今日ちょっと何か作りたい」という気持ちになったとき、最初に電源を入れるのはMPC Live IIです。

理由はシンプルで、PCを起動しなくていいから。机の上に置いておいて、電源を入れればすぐ始められる。スタンドアローンで完結するというのは、思っている以上に大事です。

Maschineは当然PCが必要です。PC立ち上げ、ソフト起動、オーディオIF確認という手順を踏んでから制作に入ることになる。「ちょっとやってみようかな」という気分のときには少し重く感じます。

「とっつきやすさ」という意味では、MPC Live IIはよくできている機材です。しばらくブランクがあっても、操作感がすぐ戻ってきます。

Maschineが得意なこと

一方で、Maschineには明確に得意なことがあります。

まず内蔵音源の充実度です。購入時にエクスパンション(拡張音源パック)を選べる仕組みになっていて、最初から音源が豊富に揃います。グリッチやエフェクト系のサウンドも専用エクスパンションに含まれていて、効果音的な音を使いたいときに便利です。

パッドでコードや音階を弾く操作も、Maschineはやりやすい。鍵盤が得意でなくても、パッドでさっと演奏できます。音源に音を付けてアレンジしていく作業との相性が良いです。

VSTが使えるのも大きいです。外部のプラグイン音源をそのまま立ち上げられるので、Kontaktのライブラリもそのまま使えます。これはMPC単体では代わりが利かない部分です。

PC画面で作業できるのも効率が上がります。シーケンスを細かく組んでいくときは、PCの大きなディスプレイの方が圧倒的に見やすく、編集の快適さが変わります。



Maschineで手こずったこと

Maschineに苦労したこともあります。

設定がやや複雑です。特にMacからWindowsに制作環境を移したとき、ソフトの再インストール、音源データの移行、オーディオIF周りの設定を一からやり直す必要がありました。これが想像以上に時間と手間がかかった。

サンプリングの手順や基本の接続まわりでつまずいたこともあります。MPCと比べると、最初の一歩がやや多い印象です。

正直なところ、最近はMaschineへの腰が重くなっています。PCを立ち上げてから作業に入るという流れが、ちょっとした制作には少し重たく感じてきた。悪い機材ではなく、自分の使い方との相性が変わってきた感じです。

MPCが苦手なこと

MPCについては、内蔵音源の弱さがずっと気になっています。

エクスパンションだけで大半のパーツは揃います。ただ、ベースやウワモノ系の音を足したいとなると、結局DAWを起動してVSTを使うことになります。VSTをMPC単体で動かせないので、ここは構造的な限界です。

マスタリングもDAWが必要です。つまり最終的にはPCを使うことになる。スタンドアローンで完結したいと思いつつ、仕上げには結局DAWが登場するというのが現実です。

生楽器の録音はMPCの方がやりやすかった

ギターなどの生楽器を録音するとき、PC経由だとレイテンシー(音の遅延)が気になることがあります。

MPC Live II本体で直接録音すると、このレイテンシーが気になりにくいです。体感的な差ではありますが、弾きながら録るときにはかなり違います。生楽器の録音機会が多い人には、この点でMPCが向いています。

最近Maschineから少し遠のいた理由

最近、音楽の作り方が変わってきました。

生成AIで音楽を作ることが増えて、「簡単なトラックを作ってAIに投げる」というスタイルになっています。細かく作り込む必要が減ったぶん、さっと立ち上げられるMPC Live IIの出番が増えています。

Maschineが悪くなったわけではなく、自分の制作スタイルが変わった結果です。これはどちらが優れているかとは別の話ですが、今の正直な距離感として書いておきます。

結局どちらを選べばいいか

実際に両方使ってみての個人的な見解です。

DTMをこれから始める人や、スタンドアローンで完結させたい人は、MPC系の機材が向いていると思います。電源を入れればすぐ使える直感的な操作感は、ブランク明けでも戻ってきやすい。

PCを中心に作業していて、VSTやKontaktの音源をフル活用したい人は、Maschineが向きます。内蔵音源が充実していて、PCの大きな画面で細かく組んでいける。音源派のアレンジャーには合う環境です。

「どちらが正解か」というより、自分の制作スタイルがどちらに近いかで選ぶと後悔が少ないと思います。

購入前の注意点(2026年6月現在)

MPC Live IIとMPC Live II Retro Editionは、現在新品販売が終了しています。中古市場では見つかりますが、新品で購入するのは難しい状況です。

後継機として2025年10月にMPC Live IIIが発売されました。価格は268,000円(税込)で、MPC Live IIから大幅に値上がりしています。処理速度の向上、新型パッド「MPCeパッド」の搭載など機能面の強化は大きいですが、予算感は変わります。

2024年にはAKAI MPC Key 37も発売されています。37鍵の鍵盤付きでスタンドアローン制作が可能な機種です。MPC Live IIIより価格が抑えられており、鍵盤付きのMPCを探している方には選択肢になります。さらに今回、見た目がRetro EditionになったMPC Key 37 G2も登場しており、これはかなり良いのではないでしょうか。

Maschine Mk3は現在も販売中です(2026年6月時点)。ソフトウェアも継続的にアップデートされており、現役の機材として安心して選べます。






まとめ

MaschineとMPC Live IIを両方持って5〜6年経ちます。最初に手が伸びるのはMPC Live IIで、理由はPC不要のスタンドアローンです。

Maschineは内蔵音源、VST、PCディスプレイを活かしたアレンジ作業に強い。MPCはスタンドアローンの手軽さと、生楽器録音時のレイテンシーの少なさが利点です。

「どちらが優れているか」より、自分の作り方がどちらに近いかで選ぶのが一番しっくりきます。

MPC SAMPLEのような小型機のレビューや、CASIO SXC-1についても別の記事で書いています。あわせて読んでもらえると参考になると思います。

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