MPC SAMPLEはMPC好きなら買い。ただし幻想を持ちすぎる前に知っておきたいこと

MPC SAMPLEとMPC Live II Retro Editionを机の上に並べたアイキャッチ画像 ファッション・アクセサリー

MPC SAMPLEを買うべきか、買わないべきか。

正直に言うと、MPCが好きな人なら、そこまで深く悩む機材ではないと思います。価格帯的にも、見た目的にも、歴代MPCに通じるロマンという意味でも、「気になるなら買ってしまっていい」タイプの音楽制作ガジェットだと思います。

ただし、期待値は整えておいたほうがいいです。

MPC SAMPLEは、小さなMPCとしてかなり魅力があります。片手で扱えるサイズ感、机の上に置いておける気軽さ、MPCらしい16パッドの所有感。ここに価値を感じるなら、満足度は高いと思います。

一方で、MPC Live 2のような一台完結型の制作環境や、低音までしっかり確認できる内蔵スピーカーを期待すると、少し違います。

この記事では、MPC Live 2ユーザーの視点から、MPC SAMPLEの魅力と、買う前に持ちすぎないほうがいい幻想について書いていきます。

MPC SAMPLEは「迷う機材」というより「期待値を整えて買う機材」

MPC SAMPLEに興味がある人は、おそらく最初からかなりMPCが好きな人だと思います。

まったくMPCに興味がない人が、いきなりMPC SAMPLEを見て購入候補にすることは少ないはずです。どちらかというと、歴代MPCの見た目やパッドの雰囲気に惹かれていたり、すでにMPC Live 2などを持っていたりする人が、「これも欲しい」と思う機材ではないでしょうか。

そういう意味では、MPC SAMPLEは購入を迷わせる機材というより、買ったあとに「思っていたのと違った」とならないよう、期待値を整えておく機材だと思います。

買いかどうかで言えば、かなり買いです。

ただし、「小さなMPC」として買うべきであって、「小さいMPC Live 2」として買うと少しズレます。

最大の魅力は小ささ

MPC SAMPLEの一番の魅力は、とにかく小さいことです。

体感では、MPC Live 2と比べて横幅も厚みも半分以下。片手で扱えるレベルです。その辺に置いてあっても邪魔にならず、使いたいときにスッと取り出せます。

この「スッと取り出せる」という感覚は、制作機材ではかなり大事です。

MPC Live 2はとても優秀な機材ですが、大きくて重いです。自分の場合は保護も兼ねてハードケースに収納しています。そうなると、ちょっと触りたいだけでも、取り出すまでに少しだけ気合いがいります。

MPC SAMPLEはそこが違います。

机の上に出しておける。ほかのスタンドアロン機材と一緒に置ける。思いついたときにすぐ触れる。

この小ささは、スペック表以上に価値があります。

所有感はかなり満たされる

MPC SAMPLEは、見た目にもかなり魅力があります。

歴代MPCに似通ったデザインのロマンがあり、所有感はかなり満たされます。単なる小型サンプラーではなく、「小さなMPCを持っている」という感覚があります。

機材は実用性も大事ですが、見た瞬間に触りたくなるかどうかも大事です。

MPC SAMPLEには、その気分があります。

MPC Live 2は本気で制作するための頼れる機材。MPC SAMPLEは、机の上に置いておきたくなる小さなMPC。

この違いだけでも、MPC好きにはかなり刺さると思います。

幻想その1:内蔵スピーカーでビートを作り込めると思わない

MPC SAMPLEには内蔵スピーカーがあります。

ただし、ここには大きな期待をしすぎないほうがいいです。特に低音は全然出ません。

MPC Live 2の内蔵スピーカーをイメージしていると、かなり違うと思います。MPC Live 2は内蔵スピーカーでもそれなりに音楽を鳴らしている感覚がありますが、MPC SAMPLEのスピーカーはビート作り用というより、タイミング確認用に近いです。

キックやベースの感じを判断するのは厳しいです。

もちろん、内蔵スピーカーがあること自体は便利です。音がすぐ出るので、パッドを叩いたときのタイミングや、ざっくりしたアイデア確認には使えます。

ただ、「スピーカー内蔵だからこれだけでビートメイクできる」と思うと、期待外れになる可能性があります。

ちゃんと音を判断するなら、ヘッドホンや外部スピーカー前提で考えたほうがいいです。

幻想その2:本体だけでシーケンスを作り込めると思わない

もうひとつ期待しすぎないほうがいいのは、シーケンス編集です。

MPC SAMPLEでラフなビートを作ることはできます。リアルタイム入力でパッドを叩いて、ざっくり形にするのは楽しいです。

ただし、本体だけでシーケンスを細かくプログラミングしていくのは、かなり厳しいと思います。

MPC Live 2のように、画面を見ながら細かく編集して、ソング構成まで作り込む機材ではありません。MPC SAMPLE単体で完結させるというより、本体ではラフに叩くところまで。そのあとPC側でシーケンスやソングを編集する。

この使い方が現実的です。

MPC Softwareで仕上げる前提ならかなり使いやすい

MPC SAMPLEは、MPC Softwareと組み合わせる前提ならかなり使いやすい機材だと思います。

本体ではラフなビートを作る。細かいシーケンス編集やソング構成はMPC Softwareで仕上げる。

この分担にすると、MPC SAMPLEの役割がかなりはっきりします。

MPC Live 2は一台完結できる強さがありますが、そのぶん本体の中で作業を完結させようとして、重く感じる場面もあります。

MPC SAMPLEは編集力では劣ります。けれど、最初からPC編集前提で考えれば、むしろ気軽です。

小さい本体でラフに叩く。PCで整える。必要ならMPC Softwareで仕上げる。

この流れなら、MPC SAMPLEはかなり扱いやすいです。

SP-404MKIIとは方向性が違う

MPC SAMPLEの比較対象としては、Roland SP-404MKIIも出てくると思います。

SP-404MKIIは、サンプル加工、エフェクト、パフォーマンス的な使い方に強い機材です。USB-C接続やSkip Back Samplingなど、現代的な機能も充実しています。

ただ、MPC SAMPLEとは目指している方向が少し違います。

自分はSP-404MKIIは持っていませんが、過去に初代SP-404を持っていました。SP-404はお手軽なように見えて、スピーカー接続などが必要で、意外と使いませんでした。

また、フィンガードラムでビートを組み立てる機材というより、効果音やサンプルを鳴らす機材という印象が強かったです。

SP-404MKIIでは多くの部分が改善されていますが、それでも「MPC的にパッドを叩いてラフなビートを作る」感覚を求めるなら、MPC SAMPLEのほうがしっくりくる人もいると思います。

SP-404MKIIは、サンプルを加工して遊ぶ機材。MPC SAMPLEは、小さなMPCとしてラフなビートを作る機材。

この違いで考えると、比較しやすいです。

MPC Live 2ユーザーにとってMPC SAMPLEは必要か

MPC Live 2を持っている人にとって、MPC SAMPLEは必須機材ではありません。

できることだけで見れば、MPC Live 2のほうが圧倒的に上です。音作り、シーケンス編集、画面の見やすさ、一台完結力。どれもMPC Live 2のほうが強いです。

でも、MPC Live 2にはない魅力がMPC SAMPLEにはあります。

それは、小さいことです。

片手で扱える。机に置いておける。すぐ取り出せる。見た目に歴代MPCらしいロマンがある。ラフなビート作りに使える。MPC Softwareで仕上げる前提なら役割がはっきりする。

このあたりに魅力を感じるなら、MPC Live 2を持っていてもMPC SAMPLEを買う意味は十分あります。

むしろ、MPC Live 2をハードケースにしまいがちな人ほど、MPC SAMPLEの小ささは効いてくると思います。

MPC SAMPLEの在庫について

MPC SAMPLEは人気が高く、タイミングによっては品切れや予約待ちになっていることがあります。自分の場合も、注文してから手元に届くまで約2か月ほど待ちました。

在庫がある店舗を探し続けるよりも、信頼できるショップを決めて注文し、順次出荷を待つほうが結果的に早く手に入る場合もあると思います。販売ページの納期や予約状況を問い合わせて確認しておくのがおすすめです。

MPC SAMPLE


まとめ:MPC SAMPLEは買い。ただし「小さなMPC」として買う

MPC SAMPLEは、MPC好きならかなり買いだと思います。

価格的にも、見た目的にも、所有感としても魅力があります。歴代MPCに通じるロマンがあり、机の上に置ける小さなMPCとしてかなり楽しい機材です。

ただし、幻想を持ちすぎてはいけません。

内蔵スピーカーは低音が弱く、ビート作りの音判断には向きません。本体だけでシーケンスを細かく作り込むのも厳しいです。

MPC Live 2の小型版ではなく、MPC Softwareと組み合わせて使うラフ制作機。そう考えると、MPC SAMPLEの魅力はかなり見えてきます。

本体でラフに叩く。PCでシーケンスやソングを編集する。机の上に置いて、思いついたときにすぐ触る。

そういう使い方をしたいMPC好きなら、MPC SAMPLEはかなり満足度の高い機材だと思います。

参考にした情報

MPC SAMPLEの仕様やレビュー情報は、MusicRadarのMPC SAMPLEレビュー、The VergeのMPC SAMPLEレビューを参考にしました。SP-404MKIIの特徴については、Roland公式情報およびSP-404MKII関連レビューを確認しています。

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